宮沢賢治コレクション 6 春と修羅 (筑摩書房)
わたくしといふ現象は
仮定された有機交流電燈の
ひとつの青い照明です
> 筑摩書房 宮沢賢治コレクション 6 春と修羅 ─ 詩1 / 宮沢 賢治 著, 天沢 退二郎 著, 入沢 康夫 著, 栗原 敦 著, 杉浦 静 著 https://www.chikumashobo.co.jp/photo/book/large/9784480706263.jpg
生前唯一刊行された『心象スケッチ 春と修羅』七十篇に補遺篇九篇、さらに、その後の作品に発展していく要素を多く内包した短唱「冬のスケッチ」併せて収録。
つまり一般人向けの全集と考えて差し支えない
研究者向けの全集とわけて刊行しており、値段も安い
avashe.icon大人向けなイーハトーヴと現実が入り混じった世界を舞台に岩手から樺太(サハリン)まで旅する旅行記とも取れる
心象スケッチなので厳密にはイーハトーヴではないんだろうけど、接続していると考えると楽しい
賢治が描く童話とはまた違った幻想世界には独特の空気の清涼感がある
私にとって感覚で理解できるところがあって馴染む
東北の涼しく張り詰めた秋冬の空気
本作で賢治は大気の厚みを「気圏」とか「レンズの底」と表現するが、だだっ広い盆地(大体田んぼ)に独りいる自分をふと鳥瞰するような離人的感覚に陥ったとき、まさにそういう表現が正しいと感じた
そして序文がまたいいんだこれが